TSMCの決算Overview
以下、TSMCの財務報告のページにアップロードにされたファイルを引用しています。
TSMC 2021 Q1 Quarterly Results - 台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー (TSMC)
※NT$.という単位が使われています。これはニュー台湾ドルで、１＄NTは約0.035 アメリカ合衆国ドルです。
✅売上高は約＄13B、日本円にして1兆円ほど。
✅粗利率は52.4%、営業利益率は38.6%。
✅QoQで利益約2%減。
From a geographic perspective, revenue from
customers based in North America accounted for 67%
of total net revenue, while revenue from Asia Pacific,
EMEA (Europe, Middle East, and Africa), China and
Japan accounted for 17%, 6%, 6%, and 4% of total net
revenue respectively.
セクター１位であるスマホ向けの売上は、前期比で11%減少しているのが心配です。他方で、自動車向けは31%も増加しています（ただし全体に占める割合はわずか4%）。
Sequentially, revenue from Smartphone and Others decreased 11% and 13% respectively from 4Q20, while HPC, IoT, Automotive and DCE increased 14%, 10%,
31% and 11% respectively.
売上を技術ごとに分類するとnmで分けられます。
粗利率の減少については、低稼働率と為替の影響と述べられています。
Gross margin was 52.4% in 1Q21, 1.6 percentage
points lower than 4Q20, mainly due to a relatively lower
level of utilization and an unfavorable exchange rate.
その他のアップデートとしては、＄4.4B＋＄4.5Bの社債発行が役会で承認されました。
また、３DICの研究のため、資本金$186M(約200億円)の子会社を日本に作るようです。
BloomergのＴＳＭＣの21年設備投資、最大2.9兆円計画－技術的優位維持狙うによれば、設備投資は先端半導体技術の開発に向けられるそうなのです。
アリゾナ州で2024年に先進半導体の工場が稼働予定のようです。
The CEO added that TSMC's advanced chip plant in Arizona will start construction as planned and start production in 2024.
Global chip shortage could persist until 2022, TSMC warns - Nikkei Asia
しかし、１Q の決算では、5ナノの売上がQoQで減少してしまいました（TSMC Is On Fire. Just Beware of the Flames The company’s incredible confidence in its technology means signing big checks to buy increasingly more expensive equipment.参照）。最先端とはいえニッチ領域ではあるので、過度な投資は心配です。
予測した売上通りにいかなければ設備投資の負担がマージンを押し下げてしまいます。
実際、２Qのガイダンスでは、予想粗利率は49.5-51.5%、営業利益率は38.5%-40.5%です。
１Qの実績が粗利率52.4%なので、少し下がると見込んでいるようです。
Capital Intensityが費用箱となってしまわないか、引続き決算を中止していきたいです。
